SoRa
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https://yucomaruo.jp/sora/
作品を創るというのは、その時の感情や気持ちのコンディションを整える、
つまり作品と向き合う「心の環境」を作ることなのかも知れません。
それは自分の内側にそっと目を向けることでもあり、
私を包みこんでいる外の世界を眺めているようでもあり、
宇宙・地球・自然、あらゆるものとつながっているような感覚になります。
おそらく、その「環境 = S o R a」には、特別な意味を与える必要もなく、
素直なままそこに身を置き、漂いながら、変化もしながら、
その中で素直に感じられる「心地よさ」に出逢いたいという強い思いのままに、手を動かします。
[S o R a]は「空、または宙」。
“sky”、 “universe”そして“empty(余計なものは何もない、満たすことができる空間)”でもあります。
移り行く[S o R a]のゆらめきに強い思いで「あるがままに同期」することで見えてきた、
私の「心地よさ」を展示させていただく機会をいただきましたことに、感謝いたします。
Yuco Maruo / 2020
丸尾結子はこれまで、にわかには目に見えないとしても、
自分の内側に確実に「存在」する感覚や 感情などを体現するといったスタンスで作品制作に取り組んできました。
これらの作品は、自分だけが 感じられるその「存在」を丁寧に探り、
自分の手の中で形、大きさ、滑らかさ、柔らかさ、鋭さ、などを繰り返し確かめながらつくり上げていくことで、
その瞬間の丸尾の中に湧き上がる感覚を宿した立体作品として発表され、その類をみない「特異な存在感」は高い評価を獲得してきました。
そして、さらに拡張された意識の境界を探ることで丸尾がたどり着いた、
「内側と外側はひとつのものでもある」という直感的・仮説的な定義。
結果的に今回の展示では、作品の外側を造ることによって内側に宿る「存在感」を生み出すという意識と、
さらにそれとは異なる、彼女にとって未知の次元の意識との境界を溶かしながら制作された、新たな立体作品が発表されることとなりました。
白く柔らかい質感・皮膚感と、絶妙なバランス感。
それと丸尾独特のある種のテンションが織りなす、不思議な生命感が溢れるこれまでの作品。
さらにその延長上にありながら、自分の「存在」と作品の「存在」、「内側」
と「外側」とを重ね合わせて捉えるという、新しい解釈で制作された新作。
これらの表現の変化と進化の中にある作品をひとつの空間で同時に体験することがきる今回の展示では、
丸尾の実は不器用なまでに揺るがない、潜在的な「意識」を感じさせられることになるのかも知れません。