ほんの、はるかなる。
いつも、日常の中でふとした一瞬に湧き上がってくる
「気持ち」とも「感情」ともいえないような、
その瞬間に特有の「何か」を形にしようとしているのだと思います。
試行錯誤していると、あるときに見たこともないものが生まれ、
出会い、自分でも少し驚いたり、そんなことの繰り返しです。
だから表現の方法もその時々で変化し続けてきたように思います。
そうやって全く違った感覚、違う手法で作った作品は、
互いに少し距離を置いて存在しているようにも思えていました。
でも、それらが予期せずひとつの空間に集ったとき、
想像もしていなかった「ひとつのささやかな宇宙」につつまれるような、不思議な感覚に。
しかもその空間も、それぞれの作品も、確かに自分とつながっている。
そこで体験する自分とそれぞれの作品、そして作品同士の「距離の愛おしさ」はとても新鮮で、また刺激的なものでした。
Yuco Maruo / 2019